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私はあなたの止まり木でありたい。  どんなに強い鳥でも、羽ばたき続ければ疲れてしまうから。
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「…馬鹿だ、私。」

駅前の広場で時計を見ながら、

腕時計を見てため息をつく。

「いくらなんでも来るの早すぎでしょ!」


ただいまの時刻、12時15分。

「45分も前に来るとか…どんだけ期待してんのよ私。」


小さくため息をついて、小さなベンチに腰を下ろす。

「どうしよう…。」


時間を潰す方法をあれこれ思い巡らせていれば、

いきなり視界が暗転した。


「え、えぇ!?」

「だーれだっ。」


ふふ、と笑う声の主なんて他には思い当たらない。


「先輩!」

「君、おもしろいね。いろんな反応がさ。」

「…からかわないでください!」

「っていうか、来るの早すぎじゃない?」

隣に腰を下ろした、
私服の彼がなんとなく気恥ずかしくて目を逸らす。


「ちょっと早く着いちゃいました…。」

「ちょっとじゃないでしょ、40分も前だよ?」


カツカツと爪で腕時計を叩いてニヤリと笑っている。


「そんなに楽しみにしてくれてたんだ、僕と会うの。」


図星をつかれて黙り込んだ私の前に、差し出された手。


「へ?」

「あーっ、もう!」


眉を吊り上げてため息をつきながらも、
その顔はどこか楽しそうで。

膝の上に置いてあった手をぐいと引かれる。


「ちょ…先輩!」



引っ張られるように、人込みの中を駆け抜けた。


「どこ行くんですか!」

「僕も知らない!」


通る人みんなが振り返っていく。

中には迷惑そうな顔もあったけど



でも、

楽しくて。




いつの間にか笑ってた。



「どこ行きたいー?」

「どこでもいいです!」



あはは、と彼の笑う声が聞こえた。











―初めてかもしれない。

彼が声を立てて笑うのを聞いたのは。















――――――――――――


若々しい恋愛をしてみようキャンペーン!!!


さぁ、これから一気にシリアスだ☆


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プロフィール
HN:
咲遊
性別:
女性
職業:
学生
自己紹介:

いますぐ引き返したほうがきっとあなたのため。


私の夢の世界


歪んでたり 痛かったり。



気分を害されても
責任は負えませんのであしからず。




ちなみに、
このブログ内の文章の

無断二次転載は禁止

です。(ないと思うけど)





それではどうぞ ごゆっくり。





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