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私はあなたの止まり木でありたい。  どんなに強い鳥でも、羽ばたき続ければ疲れてしまうから。
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夢見心地の朝のまどろみ。

温かい布団の中で至福の時を過ごしていれば、


勉強机に放置したままの携帯電話が着信を知らせた。



「誰ー。」



無視を決め込もうと布団に潜り込むも、


なんとなく気になる。




仕方なく布団を体に巻き付けて、冷たい携帯をとりにいく。




「無駄な話なんかだったらキレるからね私!」




着信相手を確認することもなく、

再びベッドに戻りながら通話ボタンを押した。



「…もしもし。」



とびきりの不機嫌モードな声で言えば、

電話口からはクスクス笑う声が響く。




『ごめんね、起こしちゃった?』



思考回路はショート寸前、とはまさにこのことだなー
なんて余計なことを考えて。



「ちょ………」




そして電話口の声の主が誰か
最終的な結論に辿り着いた。





「せ、せせ先輩っ!?」


『おはよう、素敵なお目覚めおめでとう。』


「ご、ごーめーんーなーさーい!私、えーっと…」


『意外だなぁ、杏奈ちゃん寝起き悪いんだ?』



―激しく後悔したい気分だ。


『でも、もう9時だよ?いくら冬休みでもそろそろ起きないと。』


「…すみません。」


『いや…君に聞きたいんだけどさ、今日、僕とデートするのとゆっくり寝るのどっちがいい?』



―何なんですかその究極の二択。


もしかしなくてもそれって…遠回しなデートのお誘い、で、すよね!




「あ、私…今日ヒマ…ですよ?」


『寝てなくていいの?』


「もう、先輩っ!!」



あはは、と楽しげな笑い声が聞こえて、

13時に駅前で、と付け足された。



『じゃあね、お寝坊さん。』

「だからやめてくださいってば!」


『13時に待ってるよ。』


「あ…はい。」




電話を切ったあとでぼんやりと

なんとなく会話の内容を反芻して。




「…13時……駅前…、"待ってるから"…ん?………え…これって………」




やっと覚醒した頭で認識した。








「せ、先輩と、デート!!!?」








ええええええ!、と叫んだ瞬間にベッドから落ちた。

痛かった。

夢じゃないと確信して、




とりあえず朝ご飯を食べようと部屋を飛び出した。


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プロフィール
HN:
咲遊
性別:
女性
職業:
学生
自己紹介:

いますぐ引き返したほうがきっとあなたのため。


私の夢の世界


歪んでたり 痛かったり。



気分を害されても
責任は負えませんのであしからず。




ちなみに、
このブログ内の文章の

無断二次転載は禁止

です。(ないと思うけど)





それではどうぞ ごゆっくり。





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