∫キャンディーケーキは雪の中∫

それはきっと空耳で


降り積もる雪の音を

私が聞き間違えただけ。

「さぁ、行こうか。」


パン、と一つ手を叩いて

駆け出していく彼。


「冬の朝5時からランニングってどうなのっ。」

「置いていくよ？」


まだ薄暗い空の下

ため息は冷たい風にさらわれる。


「ちょっと、速いって!」

「ごめんごめん。」




それと時を同じくして、

玄関先で藤也はため息をついていた。


「あれ、兄さん…僕のスニーカー履いてったみたいだね。」


仕方なく、使い古したスニーカーを取り出して靴紐を結ぶ。

扉の向こうの空が、少しずつ色付き始めていた。




腕時計のストップウォッチ機能をオンにして、走り出す。

教会のある曲がり角を曲がってしばらくしたところで、
見覚えのある顔をみつけた。


「あれ…？」



スーツケースを引き摺りながら
歩いてくる長身の女。



「…もしかして、藤也くん？」

道の向こうの彼女と目が合った。


「ひさしぶり!」


にっこり笑って手を振ってくれるその人は。









「紗…香、さん？」

















――――――――――――

みんなランニング好きですね。

ちなみに柾貴さんは中学時代ESSでした。
高校生では剣道部。笑
国際的ー（殴

てか紗香さん出しちゃったよノリで。

本当はここで藤也くんが出会うのは杏奈ちゃんなはずだった。
そして杏奈ちゃんをデートに誘って

あーなってこーなって終わらせるつもりだったのに!



あと５話で終わらない気がしてきた。



ドロドロ万歳!