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私はあなたの止まり木でありたい。  どんなに強い鳥でも、羽ばたき続ければ疲れてしまうから。
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「紡木!紡木っ!紡木踏青。」



担任が何度も繰り返す同じ名前。

昼休み後のLHR、3組の日常だ。





「サボりでーす。」



気のない声で返事を返して、千波は再び机の上に突っ伏した。

隣の机に散らばったままの筆記用具たちが、消えてしまった持ち主を探している。




彼がいない教室で行われる授業なんて無益なもの。(私にとっては

遠くで響く級長の声に欠伸をすれば、先生がじろりとこちらを見た。




「探してくるか?名取。」

あいつの行くところなんて知ってはいるけど。


「…遠慮しときます。」



窓の外には縮れ雲。

屋上の貯水タンクの上でも、なおそれは遠かった。




溜息をついて、
容赦なく顔に照りつける日差しから逃げるように寝返りをうつ。


「なんか今日は、キミによく会うね。」

ふと翳る太陽。

いきなりの明度の調節が上手くいかず、
目を細めた踏青を見下ろすようにして五海は笑った。


「・・・なんでお前が此処にいんだよ。」
「いいの?LHR参加しなくて。今日は修学旅行の班決めだよ?」
「構わねぇよ、放っときゃテキトーにどっかの班には入ってんだろ。」


ふーん、と意味ありげに笑いながら、フェンスに凭れ掛かって本を広げる。


「で、お前はなんで・・・」
「班分け、学年単位だからさ。一緒の班になってもいいかな?」


本から目を上げてちらりと踏青を見れば、面白くなさそうに寝返りをうったところだった。

「勝手にしろ。」
「ちなみに他のメンバーは、陽功と匂と・・・・あ、あと、千波ちゃんもだから。」
「あ、そ。・・・ってはぁ!?なんでそこに名取が入るんだよ!」
「えー、だって千波ちゃん、踏青と同じ班になりたそうだったし・・・」

勢いよく上体を起こした踏青に、五海はパタンと本を閉じる。


「そんなに千波ちゃんが気になるんならさー、さっさと教室戻ってあげなよ。ね?」
「・・・妬いてんのかお前。」

階段の方に歩いていく彼女の足が一瞬止まって。

無表情で振り向いた五海の顔は、たちまち満面の笑みになった。


「ま さ か。ナルシストは嫌われるよ?」



じゃあね、サボリ魔さん。と手を振った彼女が走り去っていく。


その足音を遠くに聞きながら、

再び踏青は空の雲を見上げた。











………………………

旅行かぁ・・・なお話でした。

ね、時事的でしょ?


基本的にこのお話は私の日常生活にそって進んでます(



ちなみに登場人物の名前の紹介。

・五海(いづみ):2組の級長さん
・匂(かおる):2組の副級長さん
・陽功(たかのり):風紀委員長、ちなみに2組。
・踏青(とうせい):生徒会長、3組。
・千波(ちなみ):3組の人。うん、女の子だよ!(


他の4人と比べて「千波」って名前だけ捻りがないのは気のせいだきっと!




うん。まぁそんなカンジ。



旅行もうすぐだね!(




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咲遊
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いますぐ引き返したほうがきっとあなたのため。


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歪んでたり 痛かったり。



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責任は負えませんのであしからず。




ちなみに、
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です。(ないと思うけど)





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